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THE RAINY DAY MAN (2010.04.22) [LIFE]

みなさん、こんにちは。イシイです。今日の新潟は朝からしとしとと雨。

昨日久々にレコード棚の整理をしました。写真や本の整理をすると、ついつい写真や、本に見入ってしまうように、ワタシもレコード・ジャケットをいろいろと眺めておりました。

すると、何かおかしい! 目の疲れとも違うかすみのようなものを感じました。

アレレっとおもいながら、眼鏡を頭の上にかけ、レコード・ジャケットを遠くにやると、はっきり文字が読めました。

あちゃ~、とうとう来ちゃいましたね、老眼。


来週からは、近江敏郎先生みたいなデカイ遠近両用眼鏡で店に立ちますのでヨロシク(笑い)。

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というわけで、先週末は久々に東京に行ってきました。

降り立ったのは新宿。この日は祭かとおもうほどの人出でしたが、毎日こうだそうです。さすが大都会です。

田舎モノとばれないように、ノーザン・ファッションでバッチリ決めてきましたが、おもわぬところでボロが出てしまいました。

そして向かった先はというと・・・・

きっとみなさんはこんなところを想像されるかもしれませんが


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いえいえ違います。

その日にお邪魔したのは、SSW(SINGER SONGWRITER)の聖地(←ワタシが勝ってにおもっているだけですが)ロック・バーのハートフォード・カフェです。

何度行ってもヒトリ飲みで初めていくお店は緊張します。

お店はすぐにみつかりました。


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看板には、ハッピー&アーティ・トラウム、ハーブ・ペダーソン。


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ジェシ・エド・デイビス


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おややこのイラストはデヴィッド・ブローネン・バーグ!


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そしてドアの脇にもレコード・ジャケットが。左上のアリソン・クラウス&ロバート・プラント以外はみんなワタシの愛聴盤。
う~ん、なかなか良さげです。

さすが大都会東京です。

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お店は地下なので階段を下ります。



恐る恐る店内に入ると

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こんな感じでCD、レコードがぎっしり。ちょっとハレルヤ(行きつけの音楽バー)を乱雑に、そしてこじんまりとさせた感じです。

お店では、ジンクス、ロン・ニグリニ、シーナー&コス、ティム・ムーア、マイケル・カタキスなどをリクエストしました。

イギリスのスペンドールというスピーカーが置いてあるのですが、これがまたいいサウンド!

脳みそをガツンとやられました。
イギリスのスピーカーでアメリカもの?というと意外な感じがするかもしれませんが、これが中域の太い、コクのあるサウンドで・・・ウチのシステムでは絶対出せない音でした。

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また、店主もいろいろ親切に教えてくれるのですが、そっけない感じで、これぞロック・バーの店主という感じでよかったです。

20年前のハレルヤ・マスターのタロウ氏を思い出しました。

マナーの悪い客の腕を決めて外に放り出す、うるさい女のイスを蹴る、なんてことは日常茶飯事。
もっとも今はそんな元気のあるお客も少なくなりましたが・・・・。

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今日もいっぱい飲んじゃった。

そして、午前2時過ぎ、フラフラの足取りで向かったホテルが、

歌舞伎町のど真ん中の★★★★クラス(イシイ査定)のこちらです。

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インテリアはスタンリー・キューブリックの2001年宇宙の旅をテーマにしています。

ということは、9年前にレイド・バックです。

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自分の身は自分で守る、治安の良い田舎に住んでいるワタシには耳の痛い忠告です。
そうです、ここは大都会、新宿であります。

酔っ払って泥のように眠った翌朝は大浴場に向かいます。


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ハイ、ちゃんと上半身も洗います。

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ハイ、キレイ・キレイに洗っても決して出しません。

因みにワタシにとっての★★★★とは、酒場に近くて安い、それだけです。

そして、ワタシはふざけてネタにしていますが、この日はとても寒かったので、やむなく暖をとりにきたかたや、ここに滞在して毎朝面接に出かけるかたなどが多くいらっしゃいました。

今の日本の経済状況の縮図を見た気がしました。





それから、新宿のレコード屋さんに向かう前に

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小尾隆さんの著された『SONGS』でお勉強。
毎日持ち歩いているワタシのバイブルです。


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昨日聴いたシーナー&コスなどをゲット。ただ飲んでいるだけではありません。


そして、都内の洋服屋さんとか古道具やさんなどをブラブラした後に向かったのが


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日本武道館。冷たい雨の降る中、たくさんのオジサンたちが傘をさしながら列を作っています。

一体何が行なわれるのでしょう?全日本老眼オジサン決起集会?

いやいや、この日のイヴェントは

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キャロル・キング(以下CK)、ジェームズ・テイラー(JT)のコンサートでありました。

田舎モノのワタシは開場の6時前から、そわそわとオジサンたちの列に並びました。

時間のある時は出来るだけ早く開場に入ってBGMを聴いているのが楽しいんです。


そして、ここからは撮影禁止です。
タナベに取材してこい、と軽~く言われたのですが、撮影禁止で、しかも文才のないワタシにとって、ライブの模様を伝えるのは難しい!

音楽ライターの人は偉いなあ。

会場に入ると、席はアリーナのど真ん中。ステージ正面、前から10列目です。
95年のJTのライブの時もど真ん中2列目でしたが、武道館でこんないい席は初めてです。

もうこれだけで、なんかウルウルしてきました。


そして、会場のBGMに耳を傾けていると流れてきたのは、THE BAND



ダッダッダッダダとイントロに合わせて会場全体が足踏みを・・・なんてことはなく、そんなのはワタシだけ。

THE BANDとJTは交流あったのかな~などと妄想をふくらませながら(ホントはただのサウンド・チェックなだけなのに) 
♪お~お~・ゆ~・どん・の~・ざ・しぇいぷ・あいむ・いん♪と大興奮で口ずさむワタシ。さすが田舎ものです。


それから、モータウン系の曲(タイトルはわからず)の次に流れた曲はSTEELY DAN



♪げったろ~ん・げったろ~ん・きっど・しゃ~らま~ん♪と歌いながら、やっぱりJT大先生の選曲は洗練されてるわい(別に本人が選んでいるわけはないのですが)と悦にはいるワタシ。


とそこに現れたのが、ワタシの一番敬愛する音楽ライターの小尾隆さんでありました。
ワタシの席の前背に座られた大先生はいつものキャップ姿でした。
その日に限っていつも持ち歩いている先生の著書『SONGS』は宿に置いてきてしまいました。

サインを頂くせっかくのチャンスだったのですが・・・ホントは緊張して声も掛けられませんでした。

小尾さんと一緒にライブが体験できるんだ、とおもうとまたウルウル。


そして、いよいよ開演です。

左袖から、JTとCKが仲良く手をつないで入場。

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そして右袖からは、ダニー・コーチマー、ラス・カンケル、リーランド・スクラーの3人、つまりクレイグ・ダーギ抜きのセクションのメンバーが入場。

そして、JTとクーチががっちり握手。ここ2人の今まで歩んできた道程や友情についていろいろ考えるとまたウルウル。

以前スティーリー・ダンのライブで、ドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーが握手をした時には
『お前ら、いままで楽屋でいっしょだったんだろ』なんて穿った見方をしていたのに、この変わりようは何なんでしょう。 


ライブはJTのBLOSSOMで静かに始まり

お互いの持ち歌を交互に演奏するかたちでした。そして相手の持ち歌の時にはもう一人は演奏やコーラスの担当、というのがこのライブの基本形でした。

つまりJTもCKも出ずっぱりということです。

そして5曲目のSMACK WATER JACKでは、なんとCKがピアノからギターに持ち替えました。

左からCK、JT、クーチが3人ならんでアコギを持つ、という珍しい姿も見ることはできました。

腕の短い(失礼)CKがけなげにギターを弾く姿にまたウルウル。


バンドの演奏はというと

ギターのクーチは蟹股で重心を後ろにさげた『あのスタイル』でたんたんと演奏。

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おっとこれは、新潟のクーチことKING KONG(中古レコード屋さん)の小池店長でした。

KING KONGでレコードを漁っていると、クーチにレコード買え、と言われているようで、ついつい沢山買ってしまいます。

ホンモノはこちら

セク 005.jpg

なかなか画像がみつからずスミマセン。


ドラムのラス・カンケルは

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上半身裸で、いやいやこれも昔の写真。この何気に置かれているJBLの4310にやられて、ワタシもスピーカーを買ったクチです。

現在の写真はというと

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コチラ、いや間違い、これはバーニー・リードンの写真でした。こんなかんじで現在は坊主頭です。

これも画像が見つからずテキトーですみません。でもこの間のレコード・コレクター誌でもピーター・ゴールウェイの写真が、ジョン・サイモンに入れ違っていたのでヨシとしてください(笑)。

演奏はというと、派手なドラム・ソロなんかは一度もありません。手数も少なく、決めるところは決めるといった演奏で、背筋もしっかりシャン、としていて、バリバリ現役感のあるものでした。

ベースのリーランド・スクラーは昔か仙人のような風貌なので

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今も変わらないだろうとおもっていましたが

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ヒゲが白くなったくらいで、やっぱりあまり変わらなかった(笑)。

驚いたのは、その白ヒゲ、ではなくてプレイ・スタイル。

表情も変えず、ただ指だけが動いている。足でリズムもとらない。

わかりやすくいうと、リー・スクラー人形に、二人羽織のように本人が入って、指だけ見えてる状態。
これでリズム・キープができるのかと、変なところで感心してしまいました。


一時間ほどで、休憩です。トイレの列に並ぶと、スタイリストの大久保篤さんやヨ〇ダ鞄の偉い人の姿を確認。

20分ほどの休憩後に後半スタート。

SWEET BABY  JAMES、 WILL YOU  LOVE ME TOMORROW(トッテモフルイキョクデス、とCKが紹介)。STEAM ROLLER BLUES 、IT'S TOO LATE、 FIRE AND RAIN、I FEEL THE EARTH MOOVEなどのお馴染みの曲が中心でした。

そして、CKもJTもけっして同窓会的な馴れ合いではなく緊張感のあるものでした。

はっきりいってもう2人とも歳だし、顔が見られればいいとおもっていたんですが・・・・。

ある日本のミュージシャンがJTに会った時に、表情はやさしいが目が怖いと言っておりましたが、

まさにFIRE AND RAINを演奏する時の目はイッてました。この目がある限りJTは健在だとおもいます。


そして、アンコールだろうとおもってたYOU'VE GOT A FRIEND は後半ラストの曲でした。

寄り添って歌う二人の姿にまた涙。男と女に友情は成立するのね、ワタシなんか女子に寄り添われたらすぐにエロイこと想像しちゃうのに。


そしてアンコールはUP ON THE ROOF、HOW SWEET IT IS、そしてLOCOMOTIONの大合唱でラストでした。

会場にいた評論家先生たちもノリノリでした。

萩原健太さんも一般のかたと大興奮で語りあっておられました。

音楽評論家というと、腕組しながら難しい顔して聴いているもんだとばっかおもっていましたが、彼らもやはり一音楽愛好家なのですね。


最後にこんなことをいうのは何ですが、実はJTもKCもきっと10枚のアイランド・レコード(無人島に持って行きたいレコード)には入らないかもしれない。

でも何故彼らのことが好きかというと、2人を通じて、R&Bやカントリー、ジャズ、ソウルなどのルーツ・ミュージックの面白さ、奥の深さを教えてもらったからなのです。

そういう意味では音楽評論家の小尾さんも同じだろう。おそらく←なんか文体が萩原健太さんぽくなっちゃったところで、今日は終わり。


『オマケ』
最後に2人の動画を忘れておりました。

デビュー当時は上がり症で歌に自信がなかった、なんて話が信じられないほど、ノリノリでショー・ウーマン・シップに溢れたCKでしたが、ワタシの心の中では今でもあなたは少女のままです。

この当時の2人よりもずーっとオッサンになってしまったのが不思議な感じです。




ではでは。


イシイ


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コメント 7

親父

CKとJTのコンサ-トですか...好いですね。

CKのは90年の初来日のコンサ-トに行ったきりでして...。

CKもJTも私の若かりし頃の思い出ですね。

特にCKは好きで、その当時アルバム(年一枚のペ-スで)が発売される
度にとワクワクしながらRECORD店へ出掛けてました。 w

TAPESTRYやFANTASYは今も時々聴いています。


by 親父 (2010-04-22 15:25) 

northernisland

親父さま、こんばんは。いつもありがとうございます。

そうですか!90年で初来日。なんでそれまで来日しなかったんでしょうね。
何か理由があったんでしょうか。

CKのコンサートには行ったことはないのですが、まさか2人で来日するとは
夢にもおもいませんでした。

いいものはいつまでたっても飽きませんよね。
TAPESTRYとWRITERはたまに聴いています。

イシイ
by northernisland (2010-04-22 18:17) 

ベアトラック

二人のコンサート、行きたかったですねぇ。
新宿のロックバーにも行ってみたくなりました。

今はまだシアトル・・・成田行きに乗り継げず、空港近くのホテルに居ます。
一日遅れで帰国の予定です。
by ベアトラック (2010-04-22 23:09) 

derosa84

最高の二日間でしたね。
★★★★クラスのホテルもなかなか良いですね
いや、カプセル内での写真が無い!
ほんとは高級ホテルのスイートに泊またんじゃないですか
by derosa84 (2010-04-23 09:29) 

northernisland

ベアトラックさま、こんにちは(こんばんは)。出張お疲れさまです。

是非出張帰りにでも寄ってみてください。きっとライ・クーダー関連作品
もあるとおもいます。

そして新宿で文化遺産収集もお忘れなく。お泊りはもちろん★★★★で!

derosa84さま、こんにちは。

久々に羽を伸ばしてきました。

なんで高級ホテルのスイートに泊まったのがバレタんでしょ←いや、ないない。
ワタシにはカプセルで充分。

こんなのが、コテージ代わりにキャンプ場にあってもいいかも(笑)。

イシイ
by northernisland (2010-04-23 14:48) 

四代目青柳畳店

CKとJTのコンサ-ト良いですね。

同年代と音楽が合わなかった学生時代を思い出しました。
モータウン系のレコを買い漁った学生時代...

カプセルホテルは突っ込み所満載ですね(激笑


今夜はCKで眠ろうzzz


by 四代目青柳畳店 (2010-04-26 21:05) 

northernisland

四代目青柳畳店さま、こんにちは。

僕の学生時代はJT、CKなんて全然興味なかったですね。
聴くようになったのは、ずーっと後です。

もし学生時代に聴いていたらそれこそzzz・・・。

ホテルには場所柄コワイお兄さんかたも沢山いらっしゃいましたが、さすがに
撮影はしませんでした。

イシイ
by northernisland (2010-04-27 14:11) 

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